ビカクシダの記録
今回はビカクシダの記録です。
実は2021年1月に初めてビカクシダを購入してからビザールプランツの類に火がついてしまった経緯があります。
品種をいくつか所有しているので、記録ついでに一挙に紹介できればと思います。
P. bifurcatum cv. Netherlands
P. veitchii
P. Saikeaw TC
P. hillii cv. Dragon spore
P. hillii ‘Ngasai’ from Yot
こちらが我が家のビカクシダラインナップ。すべて板付にして育成しています。
5,6月頃からは完全屋外管理、午前は直射が当たりますが午後からは日陰になる場所です。
P. bifurcatum cv. Netherlands
全国幅広く手に入り丈夫な普及種です。ホームセンター等でコウモリランとして販売されているビカクシダのほとんどがこのネザーランドではないでしょうか。
僕は2株所有しています。2021年1月に初めてビカクシダを購入したのがこのネザーランドで、鉢植えの状態から自宅で2株に分けて板付しました。
2021年1月31日に撮影したビカクシダ・ネザーランド①
2021年8月10日に撮影したビカクシダ・ネザーランド①
盛大に焼いてしまった痕が痛々しいですが、1枚目の貯水葉が展開しています。展開し切る前にと、撮影した前日に板替えをしました。
2021年1月31日に撮影したビカクシダ・ネザーランド②
2株目。こちらは、植物ブロガーINDOOR HOBBIESフルキさんが主催する『本気ネザラン会』エントリー株です。
リンク先:INDOOR HOBBIES
https://indoor-hobbies.com/indoorhobbies/2021/03/14/majineza/
エントリー株ではあるものの、1株目に比べて生育が悪く半年ほど生長がない状態が続きました。おそらく株分けの際に根を処分しすぎてしまったのでしょう。
2021年8月10日に撮影したビカクシダ・ネザーランド②
こちらも8月9日に苔増しして板替えしました。胞子葉が3本同時に展開中です。ようやく動きし出してくれたので今後の生長が楽しみです。
P. veitchii
オザキフラワーパークで2021年2月に購入。株分けして、同時に入手した流木に付けました。
2021年2月6日に撮影したビカクシダ・ヴィーチー
2021年8月10日に撮影したビカクシダ・ヴィーチー
流木に付けた際の株分けが甘かったので、その後、板に仕立て直しています。
細く青白い葉が爽やかで涼しげな印象。(1枚だけ極太胞子葉がありますね。なんでだろう)
貯水葉はまだ展開していません。
P. Saikeaw TC
P. SaikeawはP. AndinumとP. Willinckiiの交配種。
TCとはTissue Culture(組織培養の意)の略語で、メリクロン苗を示す意味合いで使われています。
メリクロンとは何なのか、よく分からず自分は購入しましたが、議論を呼んでいるビカクシダの増やし方の1つのようです。
以下で情報をまとめてみます。
メリクロンとは、メリステム(meristem、主として茎頂 (shoot apex) のメリステム)とクローン(clone) をつなぎ合わせて作られた言葉。すなわち、茎頂培養のことを言う(メリステムのことを和訳して分裂組織という)。
植物体の頂端分裂組織近辺にある細胞は一般的にウイルスフリーであるため、理論上、この細胞を培養することでウイルスフリーの植物体を作ることができる。しかし、実際には一度の培養ではウイルスフリー株を作ることは難しいため、数段階の培養を経てウイルスフリー化している。
また、ランなど繁殖が難しい植物では、繁殖方法の1つとして用いられている方法でもある。
出典:Wikipedia
メリクロンすることでウイルスフリーの個体を作ることができるようです。
ではウイルスフリーとは何なのか。
ウイルスフリーとは、生物がウイルスに感染していない状態のことを言う。感染してもウイルスの影響が出現しないウイルス抵抗性とは異なる[1]。
一般的にウイルスフリーの植物では個体の成育が旺盛になる。植物は動物と異なり、ウイルスを免疫系によって排除することができない。つまり、一度ウイルスに感染した植物は一生そのウイルスから逃れられない。しかし、希にウイルスに対する抵抗性を有した突然変異株[1]が生じる事があり、その変異株は選抜育種される[2]。また、ウイルス抵抗性を有していない優良特性を有した品種とを交配し、ウイルス抵抗性を有した新品種の作出(品種改良)が行われる事もある[3][4]。
出典:Wikipedia
ウイルスに全く感染したことがないウイルスフリーの個体は生育が旺盛、また、親株としても優秀ということですね。
つまり、メリクロン苗とは、
- ウイルスフリーの個体を増やすことができる(胞子培養や小株での繁殖では、外的また遺伝的なウイルスや病気に晒されてしまい十分に育たない個体も多い)
- 結果的に、従来の繁殖方法よりも時間的に低コストで増やすことが可能
というように、低リスクかつ速いサイクルで植物を繁殖させることができるのが特徴のようです。
(あくまで素人考えなので誤りなどあればご指摘ください)
これがどのように議論を呼んでいるかという話は少し難しいので、またの機会に譲ることにします。
さて、話を戻して我が家のビカクシダ・サイコーについて。
購入時の参考画像
白く分岐した胞子葉に惹かれ、また珍しい品種と思い、2021年3月にビカクシダの森さんで購入しました。
2021年3月3日に撮影したビカクシダ・サイコー
2021年4月23日に撮影したビカクシダ・サイコー
2021年5月9日に撮影したビカクシダ・サイコー
2021年5月29日に撮影したビカクシダ・サイコー
2021年6月20日に撮影したビカクシダ・サイコー
2021年8月10日に撮影したビカクシダ・サイコー
貯水葉が綺麗に展開し切り、現在は胞子葉が生長しています。
貯水葉ターン終了後に胞子葉のサイズがひと回り(いやふた回り)大きくなりましたが、これがイレギュラーなのかそれともこの株の表現なのかはまだわかりません。
P. hillii cv. Dragon spore
ドラゴンは、ビカクシダ原種のうちの1つヒリーの園芸品種です。sporeとは胞子培養で増やしたということらしい。
ビカクシダ・サイコーと一緒にビカクシダの森さんで購入しました。
2021年3月3日に撮影したビカクシダ・ヒリー ドラゴン
2021年4月29日に撮影したビカクシダ・ヒリー ドラゴン
水遣り中に落下させてしまい胞子葉を数本折ってしまいました。生長点は無傷でひと安心。
2021年8月10日に撮影したビカクシダ・ヒリー ドラゴン
新しい胞子葉が無事に展開し葉数が増え、ヒリーらしくなってきました。深緑色で力強くうねる胞子葉がかっこいい。
次には貯水葉が控えており、より一層の表現に出会えそうです。
P. hillii ‘Ngasai’ from Yot
こちらも原種ヒリーの交配種。‘ンガサイ‘は、ビカクシダ作出家として有名なタイのヨットさんが選抜した品種です。
縁あって、Instagram上で@bika_maru さんの企画に当選しいただくことができました。
@bika_maruさんからいただいた子株の親
2021年8月10日に撮影したビカクシダ・ヒリー ‘ンガサイ‘
到着したときの状態。
2021年8月10日に撮影したビカクシダ・ヒリー ‘ンガサイ‘
ヒリー ‘ンガサイ‘もドラゴンのような暴れっぷりで、胞子葉の表現がとてもワイルド。
はやく@bika_maruさんの親株のよう立派に育ってくれるのが楽しみです。
ということで、長くなりましたが我が家のビカクシダの記録でした。